本記事では、京都イーブックスが加盟しているJapan ebooksのメンバーから届いた地方自治体との取り組み事例を紹介します。今回は宮崎イーブックス様より事例を頂戴しましたので宮崎イーブックスのS様より早速ご紹介いただきます。
※Japan ebooks(ジャパンイーブックス)とは、一般社団法人ジャパンイーブックス活用研究会に加盟する「地域特化型電子書籍ポータルサイト「○○(都道府県名)ebooks」からなるネットワークの名称です。
“宮崎イーブックス S氏”
行政もわが町を知ってもらうためPR活動が必要になっています。宮崎県中央部に位置する国富町でも大きな課題であり、今回私たちが印刷物やホームページ、動画を通して多角的な展開をさせていただきました。ひとつひとつの取り組みを紹介させていただきます。
PRツールとして毎年1回 冊子を発行中!「クニトミマガジン」
制作するきっかけは?
きっかけは、文化財パンフレット(A5・20頁)の制作依頼から始まりました。国富町には、各地に古代からの古墳群が数多く点在しており、それをPRする小冊子を作成。しかしヒアリングを重ねていくうちに、隣に位置する宮崎県宮崎市(人口約40万人・宮崎県人口最大都市です)の隣にあるにもかかわらず「国富町」の知名度が低いことが課題に挙げられていました。その課題を解決するために文化財パンフレットを国富町の情報を発信する小冊子「クニトミマガジン」として制作したらどうかというアイデアで制作を進めました。
早速、創刊号「クニトミマガジン」を制作することに、内容は古墳群や歴史を紹介するページと国富町の飲食店を紹介をする誌面で構成して制作。わたしたちが取材していく中で国富町をPRできるものを見つけて冊子づくりを進めて発行しました。また、配布先も宮崎市民に知ってもらうため重点的に宮崎市へ配布しました。
継続して発行していくことが大切
発行後、5000部作成したのですが3ヶ月で無くなってしまい増刷を2回かけるほど反響がありました。特に飲食店はインターネットに載っていないお店ばかりでしたので「クニトミマガジン」を通じて来店されたという声を数多く頂きました。
この流れを止めてはいけないと、次年度には「クニトミマガジンvol 2」を発行。前号に掲載していない飲食店を掲載し、さらに国富町の歴史を掘り下げた誌面を発行。今号でも反響をいただき国富町民はもちろん宮崎市民からも次号の発行を待ち望んでました。
この反響を通じて国富町は、「クニトミマガジン」をPRツールとして毎年1回発信することに、しかし新たな課題もありました。それはスケジュールが秋から年度末になってしまい特に撮影や取材が充分でないこと。そこで次号からは担当者にスケジュールを調整してもらい1年間の契約で制作していくことでより充実した冊子を制作することが可能になりました。また弊社が開発した「miyazaki ebooks」のシステムを活用して冊子を電子書籍化し国富町の印刷物を掲載した特設サイト「国富ebooks」を公開。印刷物以外にも電子書籍で国富町を知るサイトも制作しました。 国富町の魅力再発見!地元の情報がもりだくさん「クニトミebooks」
プロモーション動画「クニトミフィールドミュージアムPV」
制作するきっかけ
国富町は町全体を博物館に見立て歴史的建造物や文化、観光地などを紹介する「国富町フィールドミュージアム」構想をコンセプトに町のプロモーションを進めることが決定。そこで最初の取り組みとして「プロモーションビデオ」を制作することになりました。
古代衣装で国富の魅力を再発見「国富町フィールドミュージアムPV」
現代の国富町に紛れ込んだ古代衣装をまとった女性が主人公。彼女が歴史的建造物や文化、観光地、名産、そして人々にふれ、警戒していた心もほぐれていくストーリー。関心を惹きつけるため古代からやってきたというファンタジック手法を採用し、ドローンによる空撮でしっかりとフィールドミュージアムとして必要なポイントを撮影していきました。また、前述した「クニトミマガジン」の取材経験を活かして撮影ポイントを選定。
住民参加型のラップミュージック「クニトミュージアムPV」
国富町フィールドミュージアムの取り組みを進める上で「町民参加」が重要です。心理的なハードルを下げ、いかに受け入れやすくするか。そして町民が楽しみながら文化や歴史を知ることができるのか。そこで国富町キャラクターが曲と踊りにのせて国富町史をラップ調で歌うミュージックビデオを制作しました。 幼稚園・保育園などで子どもたちの体験として活用、イベントで国富町イメージソングとして使用されました。
WEBサイト「クニトミフィールドミュージアム特設サイト」
町外へ向けて国富町をPRするTVCMを制作。「クニトミフィールドミュージアムPV」の動画をベースにしたCMを放映しました。前述した「PV動画」や「クニトミマガジン」電子書籍版も閲覧できるよう特設サイトをリニューアルし、新たに「クニトミフィールドミュージアム特設サイト」を制作。また「TVCM」→「特設サイト」へ誘導するために国富町ホームページのTOPページにスライド画像を設置しました。
多角的な展開ができました
一般的に印刷物やホームページ、動画などは、単発での発注が多く異なる業者とのやりとりなどで、PRが十分でなく相乗効果を生み出すことが難しい案件です。今回の「国富町の取り組み」を通して今まで制作した制作物をうまく活用して発展させながら国富町のPRを多角的に展開できることができました。
また、お互いが制作を進める中で課題を見つけ出し、それに沿って形にしていくサイクルを繰り返すことで課題に沿った制作物を作ることができました。
また、担当者や撮影・取材などに協力いただいた方々の理解がある環境があったからこそ実現できた案件でした。
宮崎イーブックスのS様ありがとうございました。
紙媒体とWEB・動画をうまく組み合わせたプロモーションの事例でした。今後もJapan ebooksの加盟メンバーによる事例を紹介していきたいと思いますのでどうぞ参考にしてください。
またご質問などありましたら京都イーブックス(株式会社グラフィック)までご連絡ください。